改めてここでさようならを。

好きになったのに、付き合えたのに、振られなきゃいけないなんて、別れなきゃいけないなんて。忘れる必要は無い、嫌いになる必要も無い。だからこそ、お互い感情のままに良くない関係に手と手を取り合って堕ちてしまったんだと思う。嫌われるんじゃないか、振られるんじゃないか、どこかで浮気しているんじゃないか。そんな心配をせずに気兼ねなく接することができる関係にある程度満足していた。でも、やっぱり嫉妬や束縛や、彼女としては傍に居られない。都合のいい関係として傍に居てやはり辛く思うこともあって、そして私にとって都合がいい関係だったけど、私以上に彼にとって都合のいい関係だったのだと知ってしまってから本当に目が覚めた。悪い夢から覚めた。わたしには新しい彼ができて、けじめをつけるために電話で事の顛末を話しさよならと言って電話を切った。不思議なことに涙は出なかった。でも、連絡を一切取り合わないと決めるのに決心が揺らいだ、さよならと言って電話を切ることを躊躇った。そして、連絡を取らずに1週間が経った。彼の仕事が忙しく、彼と本当に付き合ってよかったのか思い悩んだ夜。結果私は連絡を取ってしまった。さようならと言ったはずの、元カレである彼に。そして、やはり彼は私にとっても彼にとってももう終わってしまった人で、元彼でしかないと思った。その日は今までどおりおやすみという言葉で締め括ってやり取りを終わらせたけど、もう今後連絡を取ることはないだろうと思った。対面で、電話で、LINEで、手紙で、人伝で、結果どのような別れの方法や言葉を用いても私は未練がましい女だから本当のさようならはできないと思った。だから、改めてこの場でだけでも自分の心に区切りをつけるためにも、さようなら。大好きだったよ、楽しい時間をありがとう、自分をもっと大切にして、長生きしてね。そして、幸せになってね。たくさん心配なことはあるけれど、もう私にそれを心配する必要はないだろうからこれで最期にするよ。私も、幸せになれるように頑張るから。いつかまたどこかで会うことがあれば、その時は笑ってお酒が飲めたらいいねと思うよ。